- 2014.10.15
- コラム
「PGAツアー3年目の抱負」石川遼×タケ小山(後編)
タケ: これはね、聞かなきゃいけないなって。僕は予想してるんだけど、そろそろ勝てるコース、勝てる試合って見えてきましたか?
遼: 得意なコースはサンディエゴのファーマーズインシュランス。あとはトーレパインズ。僕リビエラのポアナ芝が非常に苦手なんですけど、トーレパインズのポアナ芝は凄く好きなんですよね。
タケ: それは、何で?
遼: それを僕、タケさんに逆にお聞きしたいんですよね。何が違うんだろう?
タケ: まぁ、湿気が違うと思うんだよね。リビエラの上の方とサンディエゴのそっちの方だと実際に違うだろうし。同じポアナ芝でも、でも、うーん、ポアナ芝はスズメのカタビラだから。バミューダはどうなの?
遼: バミューダは大丈夫です。バミューダは僕たぶん、ゴルフを始めてから最初4-5年はずっと高麗芝のグリーンで育ったっていうのが。
タケ: 今アメリカのベースの中で一番時間を費やしてて、練習を一番できるところってやっぱりフロリダ?
遼: そうですね、ベイヒルです。
タケ: あー、やっぱり。だったらバミューダだもんね。
遼: ベイヒルはグリーンが非常に綺麗で、芽がもちろん強いんですけど、傾斜とおんなじ方に向いているので、すごいシンプルです。そういう順目、逆目への対応も苦に思ったことはないです、アメリカでは。
タケ: ベイヒルは回れば回るほど易しくなる。でも、回れば回るほど駄目だったのが丸ちゃん。丸はもう池恐怖症になって駄目だったけど、僕は石川選手にはね、TPCもいいと思う。
遼: あ、ソーグラスですか。
タケ: あれは別にそんなにロングヒッターっていうか、強烈な牧場ゴルフじゃないから。
遼: むしろポジション、ポジションっていう感じですもんね。
タケ: ベイヒルだってそうじゃない?あとは?
遼: あとは、どこでしょうね。今回の二戦目の、シュライナーズラストのコース……。
タケ: あのバミューダ?オーバーシードしちゃうからちょっとよくわかんないけど、ファンデーションの下はね、あれバミューダなんですよ。そうだよ、やっぱそういうことなんだよ。本人の口から出たから間違いないぞ、これは。その辺を狙ってる?
遼: そうですね。
タケ: おー、楽しみですね!
遼: でも試合数が若干少ないなと。まだその三試合四試合しかなくて。僕はあとヒルトンヘッドですね、あのRBCのコースが僕、まあ正直一番好きです。
タケ: やっぱりあのコースはねぇ。
遼: 距離6900ヤード台なんですけども。
タケ: あのヘリテージもインヴィテーションなんでしょ?
遼: そうですね。
タケ: じゃあ上位じゃないと出れない。アメリカのカテゴリで125じゃ駄目なんですよね。90、75、50ってくるわけなんだけど、ワールドランキング50、それには何を手っ取り早くやっつけたら50まで行くと思います?
遼: やはりトップ5ですかね。
タケ: だよなー。
遼: トップ5にPGAツアーで入るっていうのだと思っていますね。
タケ: 今のところWGC、準メジャー、TPC。TPCはオッケーでしょ?そしたら大丈夫だから、あと出れるのは何?
遼: そうですね、HSBCもたぶん出れないと思うので。そうですね、まあほんと大きいので……ただマレーシアは出場人数が少ないのでチャンスはあるかなと。
タケ: そういう意味だったら、前回のアジア共同開催のダイヤモンドに勝ててればヨーロッパの試合も行けたりしたから、ワールドランキングに引っ掛かるとこにいきたいよね。シンガポールとか。そういう作戦は自分の中で立ててますか?
遼: そうですね、やはりスケジューリング的にも後半戦。日本のツアーの後半戦も、太平洋マスターズも、非常に好きなコースですし。
タケ: 太平洋マスターズ来るでしょ?ババが来るよね?で、ジョーダン・スピースがフェニックスに来るから。石川遼プロにとってはホームゲームなわけだから、ちょっとやっつけていただいて。
遼: そうですね。ババはまあ、あの太平洋マスターズ、御殿場回ったことあると思うんですよね。
タケ: なんでぇー?
遼: たぶん来てると思うんですよね、ババ・ワトソン。
タケ: あれ曲げきれないでしょ、木が長すぎて
遼: とんでもないですよね。
タケ: そうか。でも、上手くすると勝つね、また。
遼: 頑張ります。
タケ: ただね、藤田寛之が頑張ってるからね。お父さん、45歳。
遼: ダイヤモンドカップの時、孔明さんと一緒に回らせてもらったんですけど、孔明さんのプレーはセガサミーのときも一緒に優勝争いした時もそうなんですけど、見ててやはり今日本のツアーをひっぱっている方だなと、その凄さを感じます。
藤田さんと輪厚で回った時も、やはりそれに近いもの、それ以上のものを見させて頂きました。
まず、絶対ボギー打たないですね。基本的にミスショットを打たない方なんです。
「あっ」て言いながらまっすぐ行く方なんですけど、たまーにやっぱりちょっとグリーン外してしまったり、ラフにいったりっていうのが人間だからあるんですけど、それでもやっぱり、ボギーは打たないですね。
タケ: そんな中で、アメリカのツアーで来年、一勝目指すよね?で、好きなコースをちょろっと聞きました。今の石川遼のゴルフでは、勝てる?
遼: 勝てると思います。
タケ: もし何か必要なものがあるとしたら、何?
遼: 自分の技術の部分では、二年やってきて、一年目というのは一緒に回っている選手と自分を客観的な視点から比較しながらプレーをしたときに、もうドライバーからパッティングまで全部もう誰もが上で、自分が一番下手だなっていう風にずっと思っていて。二年目、今年になってからちょっとずつアイアンのこういうところだったら自分もやっていけるのかなっていうのがちょっとずつ増えてきた。あと何が違うんだろうって思ったときに、ほかの選手ってリズムが試合中崩れないんです。18ホールやっていく中で、いろんなロケーション、いろんなホールがある中で、ちょっとでも自分の苦手意識のあるロケーションに来た時に、すぐに僕はリズムが崩れてしまって、簡単にボギーになってしまうことがすごく多い。今の自分の力で勝てるというよりは、その改善点が見えていて、ルーティーンだったりスイングのリズムだったりっていうところを、揺るぎないものにしていけば、どんな状況でも崩れないっていうリズム感っていうところが課題かなー、と。
タケ: 楽しみですね。目標の方行きましょうか。一勝するのはもちろんだし、50位ももちろんですけど。
遼: そうですね、やはりトップ10に何回入れるかというところかな、と。今シーズンより来シーズンの方がたくさんトップ10に入れるように、また次の年はもっと多くっていうところかな、と思います。
タケ: 疲れはないですか?
遼: まったく無いですね。
タケ: 大丈夫ですか?
遼: 大丈夫です。
タケ小山(たけ こやま) 1964年 東京都出身 1984年ツアープレーヤー転向。 アメリカなど各国の試合参戦の一方でコースマネジメント、コース管理なども合わせて学ぶ。 日本に帰国後、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学&卒業。 プロゴルファーとして活躍する傍らツアーでの解説もこなす。 |