- 2013.04.11
- コラム
コラム 桂川洋一/GDO
PGAツアーの2013年シーズンも1か月半が経過し、序盤戦の東海岸の試合ウェストコーストスイングが終わりに近づこうという頃。石川遼はパターにマイナーチェンジを施した。
フェース面に高さを加えたヘッドを使用したのが、ノーザントラストオープンの時。その後、ザ・ホンダクラシックではストローク矯正のため中尺用の太いグリップを入れた。
そして3月末。戦いの場をフロリダからテキサスに移したシェル・ヒューストンオープンではタッチを合わせることを目的に、これまででも最も細いタイプのグリップに替えている。
度重なる試行錯誤が、明確な結果に結びついていないのがもどかしい。
決勝ラウンドをプレーしたのは今季いまだに3試合。
とはいえ、これは石川にとって確かな前進の証ともいえる。
今シーズン、マスターズ前までの出場6試合(欧州ツアー含む)で既に3勝を挙げたタイガー・ウッズ。
彼は最近、インタビューで「Healthy」という言葉を頻繁に使う。
好調の原因を聞かれると、決まって「去年から前に進んできた。
今はとにかく十分な練習ができているから」と答える。
スキャンダル問題に端を発した離脱時期が終わった後、ウッズはひざの故障からの復帰にさらなる時間を要した。
年間3勝をマークした昨年も、前半戦は試運転とさえ言えた。
健康であること、自分を納得させるだけの練習量があること。
それはゴルファーにとって、アスリートにとって、実力を発揮するベースとなるものだ。
石川がパターを替えた時期は、悩みの種である腰痛が回復に向かい始めた頃と重なる。
開幕当初はパッティングのことを“考えたくても、考えられなかった”というのが正直なところ。
日課となる宿舎でのパット練習どころか、トーナメント会場ですら練習グリーン上にいる時間はほとんどなかった。
昨年末から成瀬克弘トレーナーの指導を仰ぎ、腰回りの筋力強化に取り組んできた。
その成果が今、ようやく小さな芽を出そうかというところだ。
「うん、だいぶね。良くはなってる」と口にするが完全な回復にはまだ長い道のりがある、コンディションは日々違う。
結果、数字だけ並べれば、「今年の最低で最高の目標」というシード権確保に向けては不安の残る滑り出し。
だが今はまだ、我慢の時。本来の実力を発揮できるスタート地点に着くか、着かないかといった段階なのだ。
【関連リンク】
石川遼のプロフィール(GDO)
http://news.golfdigest.co.jp/tournament/players/profile/tse0000000100.html
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http://news.golfdigest.co.jp/news/pga/article/41088/1/
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http://news.golfdigest.co.jp/news/pga/article/41735/1/
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http://news.golfdigest.co.jp/news/pga/article/42646/1/